2022年6月7日夜8時にマエダのYouTubeチャンネルで放映した内容です。
解説は質&買取マエダのGIA鑑定士の川口がお伝えいたします。
今回でマエダのYouTube第10弾となりました。
いつもご視聴いただきありがとうございます。
今回のテーマは「GIAによるダイヤの解説」ということでGIA宝石鑑定士の川口が解説していきたいと思います!
GIAとは?
GIAとは、世界で最も権威のある宝石鑑定機関と言われております。
GIAは「Gemological Institute of America」の略で「米国宝石学会公認鑑定士」という意味です。
本部はアメリカのカリフォルニア州にあり、私も実際一度行ったことがありますが、大変大きな研究施設で、そこでは宝石のさまざまな研究が行われています。1千万円くらいする大きな顕微鏡もあったり、多くのジュエリーの美術作品なども飾ってあったりと非常に宝石が好きな方には見応えがある施設です。私も当時かなり衝撃を受けた記憶があります。
ちなみに私は本国で資格を取ったわけではなくて、日本のGIAの専門スクールがあり、そこで半年間みっちり宝石を勉強しまして資格を取得しました。宝石をいろいろと調べたり、筆記のテストや実技の鑑定試験などもあり、宝石に関するたくさんのテストを受けしっかり勉強いたしました。
鑑定士が持ち歩いているもの
通常私がいつも持ち歩いているものなんですが、
●マスターストーン…カラーグレードの評価に使用します
●ブラックライト…青い光で蛍光反応をみます
●LEDライト…白い光でダイヤのファイアーをみます
●パールゲージ…パールのサイズを計測します
●GIAルーペ…宝石商のシンボルとも呼ばれるルーペです
●手袋…お客様の品物を触る際はつけます
●スケール…重さをはかります
●電卓…査定金額や買取金額を表示します
etc…
などを持参し、査定・鑑定を行なっております。
ライトがたくさん!どう違いがあるの?
LEDライト
LEDライトは白い光でダイヤのファイアーを見ます。ファイアーは、ダイヤモンドを通る白色光がスペクトルの虹色に分散されたときに発生します。
ブラックライト
青い光(紫外線)で蛍光反応を見る時に使用します。蛍光は日光の主要な構成要素である長波紫外線に対するダイヤモンドの反応の強さを確認します。
どういう観点で鑑定しているの?
実は、この後ろにあるGIAが作っている公的グレーディングの解説書なのですが、ダイヤのグレーディングについて細かく書かれています。
これも私がGIAの本部に訪ねた際にいただいたもので、たくさん書かれていて難しい内容のように思えますが、内容が整備されていて非常にすばらしいテキストになっております。
そのGIAなのですが、こちらの書類は皆さん見たことありますかね?
GIAはこういったダイヤの鑑定書を発行する機関となっております。
こちらについて詳しくお話しさせていただくと、特に重要なのが「4C」について記載されております。
4Cとは?
まず1つ目の「C」が「キャラット」これは宝石の重量を表します。
次の「C」が「カラー」色味ですね。ダイヤの色味の基準になるDからはじまってZまでありまして、Zまでいきますとだんだん無色から黄色になっていきます。
そして「クラリティ」は「透明度」。内包物がダイヤは形成過程の中でどうしても入ってきます。インクルージョン(内包物)がどのくらいの度合いでクラリティグレードを評価していきます。
そして最後の「C」が「カット」グレード。ダイヤのこの形ですね、バランスよく対照的になっているかどうか、ガードルが厚いかどうかそのバランスを評価していきます。
※ガードル…ガードルは、真っ直ぐな直線ではなく「hillという凸の丘」の部分と「valleyという凹んだ谷」で構成されており、「hill」の厚さをパーセンテージで評価します。
もうひとつの「C」
今はこの4Cプラスして「5C」と業界の中では言われていまして、次のCが「コンフィデンス」。これは「信頼」という意味でして、このダイヤが確かな流通経路で来ているかどうかを見ます。というのは、ダイヤが採掘とれるところでは紛争も多く、不正に流失しているダイヤなどもあって問題になっています。そういった出所がはっきりしていて不正なものではないかというところもダイヤの評価される箇所です。
では、ダイヤの査定をやってみます!
それではさっそく査定のほうを行っていきます。
今日はこちらのダイヤをご用意しました。
まず、ルーペを使ってみていきます。ダイヤの重さ、キャラット。これだと0.737の重量が書いてあります。枠の外には「Pt900」とあり、90%のプラチナを表しております。
今度は肝心なダイヤの色を見ていきます。ダイヤの色を見るときは、先ほど準備したマスターストーン。この基準を比べながらダイヤのカラーを評価していきます。比べる際、白い背景を使ってやったほうがよりわかりやすいので、白い紙などを使用して行います。こういった形でダイヤのカラーの評価をしていきます。
マスターストーンについて
マスターストーンはこの石なんですけども、ダイヤではありません。何のためにあるかというと、ダイヤのカラーを判断する時に使用します。この石自体はキュービックジルコニアといってダイヤの模造品のようなものなんですけども、基準に関してはGIAのカラー基準がしっかり再現されたものです。人の目というのはどうしても光の環境の中で色の見え方が変わってしまいますので、それを防ぐために一つの基準を常に持ち歩いていて、それと査定対象のダイヤの差をどのくらいあるかを見るためにこちらを使用しております。実は何個かセットになっていまして、今日持ってきているのはEカラーとFカラーGカラーとIカラー。今日はこの4つですが、通常店頭ではすべて基準を揃えてお客様のダイヤを鑑定させていただいている次第です。
〜鑑定中〜
Gカラーより少し色がありますね。次はIカラーと比べてみます。Iカラー基準のほうが若干黄色いなという印象があります。さっきのGカラーよりも色があったんでちょうど2つの間のHカラーというのがこのダイヤのカラーグレーディングになっていると判断します。
あとクラリティをみます。内包物の具合ですね。非常に綺麗な石になってます。こちらは私の見立てではVSⅡ〜VSⅠ。VSⅡ以上ではあると鑑定できますので、少し点があるかなというくらいで、後ほどご説明しますけどもちょっとだけ内包物があるというお品になります。
最後にカットをみます。非常にプロポーションもよくてバランスのとれらた綺麗なカットです。ベリーグッドはいくでしょう。全体的にいいダイヤだと思いますね。
あと先ほどご説明したブラックライトで見てみます。ブラックライトは蛍光反応をみるものですが、値段の影響がありますのでこれも見ていきます。これだとストロングブルーという蛍光性になりますね。かなり強い蛍光性のあるダイヤは、オイリッシュに見えたりするのでその分の若干の減額対象にあります。
査定の結果は?
さあ、そして金額はどうなのか?ということになりますと、だいたいこの大きさと色味とクラリティ・カット・蛍光性ですと、1カラットあたりを「ガイ」というんですけどもだいたいガイ=20万円くらいとして0.73で14万5000円くらいかな?というところですね。石だけでいくとですね。そして先ほどのプラチナの枠、デザイン性も考慮するとプラスαという形になります。ダイヤだけ見てもダイヤ自体はこれはいいダイヤという鑑定になりますね。(2022年5月時点)
※ガイ…ダイヤモンド1カラットあたりの単価。品質の良いもの、大きいもの、ファンシーカラー等は、ガイが高くなります。ちなみにファンシーカラーはZの範囲を超える色を呈するイエロー及びブラウンのダイヤモンド、またはその他のあらゆる色の稀少な石を指します。
ダイヤ・宝石・ジュエリー鑑定は質&買取のマエダまで!
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